順番やルールが決められていないと不安になる
よく、幼稚園の先生に言われていたことがありました。
「◯◯(長男)くんは、物事の手順があらかじめ分かっていないと、とても不安になるようです」と。
それは、幼稚園の先生だからこそ気付いてくれたことでした。
家にいる時の長男は、自分のやりたい事はサッと素早くやるし、やりたくない事も私にガミガミ言われたら仕方なくやるという感じだったからです。
幼稚園では、すべての行動が遅くなることは分かっていましたが、更に「順番」にこだわるという事までは知りませんでした。
それは、朝、幼稚園に着いたところから始まるそうです。
バスを降りたら、自分の教室まで行く→靴を上履きに履き替えたら、上履きを下駄箱に入れる→教室に入り、連絡帳を出したりシールを貼る→カバンをロッカーにしまう→着替えをする。
年中さんだったら、それは簡単なことでしょう。
でも長男の場合、この簡単な「順番」が、イレギュラーな朝礼だったり、思いがけない用事で変更されると、もうダメなんです。
いつもは着替えるのに、今日は着替えなくてもいい、と急に変更になってしまうと、長男は軽くパニックになるそうです。
その逆も然りです。
昨日は着替えなくて良かったのに、今日はすぐ着替えないといけない・・・となれば、もう何も出来ません。
そう、長男にとって、「決められた順番」はとても大事なことなのです。
そして更に、先生がいちいち「次はあれをして、これをして」と指示を出したり確認をしないと、長男はみるみるうちに不安そうな顔になるそうです。
これも後から分かったことですが、長男は「場面緘黙症」と同時に「不安症」も併せ持っていたのです。
だから、人一倍、環境や物事の変化に敏感で、心配になってしまうのでした。
先生がしてくれた長男への対応策
そんな幼稚園での長男に対し、先生はあれこれと考えてくれました。
例えば、明日のお絵かきの時間に、『お休みの日にした楽しかったこと』を描くとします。
先生は当日にみんなにそれを発表し、みんなは「えー!」とか、「どこに行ったー!」とかひとしきり盛り上がった後、画用紙いっぱいにサクサクと描き始めます。
ところが長男は、そんな事突然言われても、描けないどころか考えることすら出来ません。
お休みの日にとても楽しい思い出や大きなイベントがあったとしても、普通ならそれを描けるはずだとしても、です。
なので先生は、「前もって私に教えておく」という対策をとってくれました。
それを私がリラックスしている家での長男に聞くのです。
お休みの日の楽しい思い出を絵に描くんだって!何を描く?と。
すると長男はあれこれ考えて「あれにしよう!」と前もって決めることができ、次の日のお絵かきの時間には、少しだけ遅れはしても、みんなと同じ時に描き始めることができるのです。
もちろんこれだけはなく、先生は色々な予定を、私に前もって教えることを続けてくれました。
長男にとって、この対策はとても功を奏したと思います。
緊張感の中で過ごしている長男にとって、少しでも緊張を和らげるための、とてもありがたい方法だったのです。
この、「順番」を忠実に守ること、前もって予定を知らせておくこと、は「場面緘黙症」の子供にとっては、とても重要なポイントだと、私は幼稚園の先生から気付かせてもらいました。
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