幼稚園で長男が好きだったことは・・・
長男は、幼稚園では話さないし、歌わないし、みんなと一緒に遊んだりもしないし、集団行動がとにかく嫌いだったけれど、とても得意としていることもありました。
もしかしたらそれは、他のお友達よりも「優れている」一面だったかもしれません。
例えば、折り紙の時間。
先生が「今日は折り紙でお花を作ってみましょう♪」と言い、とりあえず見本として折り方をみんなに見せます。
それが複雑であればあるほど、みんなはもちろん一度では折り方を覚えられません。
だから見本を折った後に、今度は先生が一工程ずつ、みんなと一緒に折り方を教えていきます。
まずは三角に折って、次はここの端と端を合わせて、裏返して~という風に。
ところが長男は、先生が見本を折った時点で、ほぼ折り方を覚えます。
複雑でも、やや難しくても・・・です。
そう、長男は「目で見た情報を理解して取り入れる」スピードが異様に速いのです。
なので、先生が一つ一つ折り方を説明している間にも、長男のお花はすでに完成しています。
それから、例えば本に載っている付録の工作などもそうです。
かなり小さい頃から、長男は、その説明文を見れば、サクサクと自分で作ってしまいます。
だから私は作り方を教えてあげた記憶があまりないし、私が作るよりも長男の方がよっぽど上手でした。
自由なお題を出されるとパニックに・・・??
ところが、幼稚園で配られる「お絵かき帳」は、真っ白のままのページが多かったように思います。
自分の好きなことを自由に書いていいよ、と言われると、長男は「どうしていいのか」分からなくなるのです。
まして、長男が書いている途中に他のお友達が覗きに来たりすると、その瞬間、絵を描くことをやめてしまうのだと思います。
それから例えば、「夏休みの楽しかった思い出を描きましょう」とか、「好きな動物を描きましょう」とかでも同じです。
長男はクレヨンを握りしめたまま、もしくはクレヨンにすら手を伸ばさないまま、ず~っと考えます。
長い長い間、ずっと考えます。
それでも描き始めない長男に、先生は声をかけてくれますが、長男はうまく答えられません。
そんな時は、よく降園後に先生から電話がかかってくるのです。
「お絵かきの時間に、夏休みの楽しかった思い出を描いたのですが、◯◯くん(長男)だけ描くことができませんでした。何を描きたいか、お母さんから聞いてもらえますか?」
「〇〇くんの好きな動物は何ですか?お答えを連絡帳に書いていただけますか?」と。
そして、私が聞き出した答えを、先生に伝えた後、長男はみんなよりも少し時間をかけて、やっと絵を書き上げるのです。
時には、みんなが書き終えて、お外に遊びに行ってしまっても、長男は教室に残り、今度はじっくりゆっくり、自分が納得いくまで絵を書き続けるのです。
書き始めるまでの時間を散々使ったのにも関わらず、書き始めてからもかなりの時間を要しました。
中断させられることを異様に嫌う・・・
それから、幼稚園に通っていた頃は特に、途中で切り上げられてしまうことをとても嫌がりました。
前述の絵もそうだし、工作なんかもそうです。
幼稚園ではまだ少しはマシだと思います。
先生に終わりと言われてしまえば、なかなか「いや」とは言えないので、渋々終わらせるしかありません。
でも、家にいる時や、家族に対しては、はっきり「いやだ!」と言えるので、なかなか終わりにしようとはしません。
あともう少し、ここが出来るまで・・・と、自分が納得するところまで行かないと終わらせません。
長男は、「時間」に対する執着のようなものが、同年代の子たちよりも強かったと思います。
きっとこれが、後々私たちが直面することになる「場面緘黙症」や「不安症」の特徴の1つだったのかもしれません。
そして、この時間への執着とマイペース過ぎることに対して、周りの私たちが寛容にならなくてはいけないことも後になって気付くのです。
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