場面緘黙症って??
突然ですが、「場面緘黙症」って聞いたことがありますか?知っていますか?
私は全く知りませんでした。我が子が幼稚園に通い出した頃に初めてその言葉に出会い、その存在を知りました。
私のように、知らない人が大半だと思います。
すご~く簡単に言ってしまえば、幼稚園や学校などで全く「喋らない」状態のことです。ただ、恥ずかしがり屋とか、人見知りとは違います。「喋らない」状態がず~っと続くのです。ひどい時は「喋らない」だけではなく、「動かない」時もあります。
でもそれは、幼稚園や学校など、特定の場所や環境に置かれた時だけです。家の中や、心を許している家族や、ほんの一握りではあるけれど仲良しのお友達の前では、お喋りなんです。つまり、「場面」によって「緘黙」になってしまう状態、それが「場面緘黙症」です。
その「場面緘黙症」は、何年もかかってようやく辿り着いた、我が子への診断でした。
もし我が子が「場面緘黙症」と診断されなければ、私にとっては一生知らないままの言葉だったかもしれません。それくらい、多くの人がこの言葉とその症状を知らないと思います。学校や病院の先生ですら、まだまだ知らない事の方が多いのも事実です。
「喋らない」ではなく「喋れない」
とにかく誤解されます。
喋らないから・・・。
息子が幼稚園に通い始めて間もなく、先生から連絡がありました。「息子さん、何を聞いてもうんともすんとも言わないのよ・・・」と。
家ではうるさい息子が、幼稚園では喋らない・・・。私にとっては「へ???」という感じでした。
きつい言葉をかけられる事もあります。息子が年少から年中に進級した時、息子は先生に言われました。「喋らない」子は、年少に戻りなさい、と。息子はその時、初めて声を出して泣きました。
笑われる事だってあります。「なんで◯◯くんは喋らないの~???」と、クラスのお友達にはほぼ毎日のように聞かれます。
正直、悲しいし悔しいです。心の中では「本当は違うんです!!」と叫んでいます。
でもそれは、仕方ないんです。息子は「喋らない」のではなく、「喋れない」のだから。そして、周りのみんなからしたら、「喋れない」ってどういう事?そもそも「場面緘黙症」って一体何・・・?なんだから。
誤解は溶けません。
親として出来ること
でもでも、もしこの症状をもっと多くの人に知ってもらえたら?もっと周りの理解を得られたら?
誤解は少し減るかもしれない。息子も少し頑張れるのかもしれない。生きやすくなるのかもしれない・・・。
そんな事を思い、悩み、考え抜いて、出した答え。
それが「発信」することでした。
まずは「場面緘黙症」を知ってもらうため。そして「場面緘黙症」である息子が抱えている辛さや苦しさ。家族の想い。そして私自身が発信する事によって、殻に閉じこもらずにもっと多くの事を吸収するため。それから、もし同じような状況で悩む子やそのご家族がいたら、少しでもそれを共有し前に進むために。
我が子の「場面緘黙症」に気付くまでと、気付いてからの様々な出来事を綴っていこうと思います!
場面緘黙症とは・・・
❝家庭ではごく普通に話すのに、幼稚園・保育園や学校などの社会的な状況で声を出したり話したりすることができない症状 が続く状態を言います。体が思うように動かせない緘動(かんどう)という状態になることもあります。話せない場面は様々ですが、発話パターンは一定しています。場面とは「場所」「(そこにいる)人」「活動内容」の3つの要素で決まります。
海外では、場面緘黙は小児期の不安障害であり、「自分が話す様子を人から聞かれたり見られたりすることに怖れを感じる」恐怖症の一種ととらえ治療や支援を行なうという考えが主流となっています。
自分の意思で「話さない」わけではありません。「話せない」のです。これは誤解が多いポイントです。これまでは、「場面緘黙は大人になれば治るもの」と考えられてきました。しかし、適切な支援なく学校生活をすごした場合、長期にわたるストレス状況から、うつ的症状や不登校などの二次的な問題へとつながるケースも見られます。海外の資料によれば、たとえ発話ができるようになったとしても、成人後に社会不安障害などの不安障害に悩まされることも多く、早い時期からの適切な対処の重要性が強調されています。❞
出典元:かんもくネット
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