年中の長男の運動会の話です。
その前に年少の頃は・・・?
今振り返ると、年少の頃も様々な行事はありました。
保育参観、お誕生会、盆踊り、親子遠足、発表会、餅つき・・・。
どれもこれも、親も一緒に参加するイベントだらけです。
もちろん、それのどのイベントでも、長男は少し恥ずかしそうだったり、先生に手を引かれたりして、お友達とワイワイ楽しむわけではありませんでした。
でも、時折はにかんだ笑顔も出ていたし、終わった後は必ず「楽しかった!」と言う程で、長男なりに頑張っていたんだと思います。
先生たちも長男の頑張りをよく褒めてくれました。
私も沢山沢山褒めました。
年少の頃は、長男の心も体もまだまだ幼く、自我が芽生えるには早かったのかもしれません。運動会でみんなと一緒に踊る姿や、かけっこで頑張る姿は、年少さんらしく、とてもかわいいものでした。
年中の運動会は地獄
ところが!!
話は戻り、年中になった長男の運動会。
私が一番恐れていたことが起こりました・・・。
運動会の開会式での準備体操で、まず長男は突っ立っていたのです。
一切体を動かすこともなく、何もやりません。
徒競走だけは、真剣に走りました。
でも、その後のダンスやら、組体操やら、旗体操やら・・・は、一切やりませんでした。
まさに「棒立ち」です。
見事なまでに。
こうなることの前兆
先生には聞いていたんです。
運動会の練習が始まった頃から、長男は踊ろうとしない、と。
そして、もしかしたら本番でも全く踊らないかもしれません、と言われていました。
そう言えば、私にも言っていました。
「踊りたくない・・・」と。
でも、私の悪い癖が出てしまったのです。
本番では、きっと頑張ってくれるんじゃないか、という淡い期待を抱くという。
緊張しながらも、なんとか頑張って乗り越えた後に「やってよかった!」と言っていた長男だから、今回もそうなんじゃないか、と。
最悪の運動会
でも、現実は違いました。
私の眼の前にいるのは、みんなと一緒に踊りもしない、ただ真っ直ぐに前を見て、立ち尽くす「動かない長男」でした。
ダンスの時間が永遠のように感じました。
早く終われ、早く終われ・・・とばかり考えていました。
そのうち、不覚にも涙が溢れてきてしまい、もう長男の事は直視できなくなっていました。
そのままトイレに行くフリをして、応援席からそっと離れました。
ついに壊れる!?
その後の事はあまり覚えていません。
前日から準備をして朝早くから作ったお弁当の味も、わざわざ孫の為に応援に来てくれた義両親や両親との会話も。
「参加できただけでも偉かったよ」と褒めてくれる周りの大人たちの言葉など、私の耳には入りません。
「あそこまでやらないなんて、逆に凄い!」と優しさで言ってくれる友達の言葉も、かえって辛いだけでした。
その時の私は、ただただ長男に対する「怒り」だけでした。
そして・・・。
家に戻った私は、今まで長男には見せたこともないであろう酷い姿を長男に見せてしまいました。
泣きながら、怒りながら、感情をむき出しにして、大声でわめき続けました。
罵倒してしまいました。
決して言ってはいけないような事も言ってしまったような気がします・・・。
せっかく緊張から解き放たれた長男は、あまりの私の形相に恐れおののき、泣きながら、私から逃げていきました。
親の心子知らず
少しでも踊る姿を見たかった・・・
少しでも笑顔になる瞬間を見たかった・・・
楽しくお弁当を食べたかった・・・
親ならば、誰しもが当たり前に願うことです。
それが何一つ叶えられなかった。何一つ。
長男の気持ちを考えてあげる余裕などその時の私にはなく、今まで溜まりに溜めてきた我慢が一気に爆発し、私はもう感情のコントロールができなくなりました。
辛くて悲しくて、悔しくて憎くて、長男の母親をやっていく自信もなくなり、ガタガタと何かが音を立てて崩れていく感じでした。
・・・これが、私の記憶の中に残る「運動会事件」です。
そして、この日を堺に、長男と私は、新たな一歩を踏み出すことになるのです。
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